雪国建っていた古民家が熱海に蘇りつつあります。
出生地とは違う環境の熱海市網代に建設中のリビングから望む相模湾。
今では見られない太い柱、一尺以上もある鴨居は迫力があります。
中々見ることが出来なくなった小屋組み、無骨な陸梁や敷桁など歴史を感じます。
見事な漆塗りの指物の障子、細かい手仕事が見られますが何年位前のものでしょう、いい書院になりそうです。
今年に入って本格的な作業に入り、徐々に輪郭がハッキリして来ました、躯体を構成する部材は捻じれて使えないもの、今の構造基準に合わないもの以外は、移築する前とほぼ同じと聞いています、それは原型の形を再組み立てしているのでできることと思います、でも建築基準法に合った耐震構造にしなければならないため、目に見えない部分でしっかりとそれは行われています。聞くところによると、この建物は新潟の雪深い所に建っていたものだそうで、それを丁寧に分解し部材一つ一つを見定め、一度建設会社の建屋の中で組み立てをして、これからも建物として使えることを確認してから、熱海に持ち込んで再組み立てを行ったとのこと、今目にしている前に多くの手間が掛かっているのです。内装も進み囲炉裏が付き外壁の漆喰塗が終わると全く違ったものに感じることでしょう、それに合わせて販売も進めていかなければと考えています。
この規模の古民家を原型のように活用し再建築するのは珍しいことではないでしょうか、携わっている棟梁以下皆さんの仕事ぶりは見事です、このような日本家屋の建築工法技術をどうやって継承し残していくのでしょう、途切れるのは避けたいものです。