調査で出かけたついでに、建設途中と言ってもほぼ完成の〝八ッ場ダム〟の今を見てきました。

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ダムを上流側から見たもので、水量調節用の放出口も今だから見ることができます。

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ダムの満水状態のイメージ図を見ると、大きさに驚きます。(写真右奥がダムとなります。)

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湖底に沈む旧国道145号線と旧JR吾妻線の鉄橋が見えますが、これらは全て湖底に沈みます、将来は見えないものですが、解体など取り除く作業が進められています。

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水没する歴史ある川原湯温泉の旅館街の建物はきれいに取り除かれていて、新たな旅館は造成された上手に移転しています。写真左奥がダムで右側高台が新し旅館街、その下が湖底になる旧川原湯温泉跡地。

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今までは見るのが大変だった〝不動滝〟も新しい道路により、近くで見ることができるようになりました。

利根川水系の首都圏の多目的ダムとして計画発表されたのは、1952年だそうですから今から67年前になります、それから今の位置に決定されたのは1967年で事実上スタートしたのですが、計画時点から何十年と紆余曲折を経て今年度の完成にこぎつけた様です。ニュースでは見ていたのですが、現地へ行ってみると途方もない事業だなと改めて気付かされます、その湖底に沈む面積や今までそこにあったインフラの移転などをみると巨額事業を目の当たりします。国道145号線やJR吾妻線の付け替え、川原湯温泉の旅館群や他の集落他の民家の移転や補償、新たに造成することの災害防止工事や旧インフラの解体撤去などなど、本体工事以外に掛かる費用の大きさで分かります、大よそ5000億円の総事業費の内で本体に掛かるのは4~500億円ですから、ダム工事に掛かる付帯事項の多さが分かります。山奥のダムと違い首都圏にあり、温泉や我妻渓谷で観光地化していること、その先にある草津温泉や万座温泉への途中で四季を通して行楽客が行き交う場所、そして昔から多くの市井の民が生活している場所だったこと、無念を感じながら土地を離れた方もいたことでしょう、それを思うとよくここまできたものだと思います、それで首都圏に住んでいる私たちはその恩恵を受けることになるんですね、ありがとう。

三十数年前、草津温泉のマンション計画と販売で、吾妻渓谷沿いの国道145号線やJR吾妻線を数えきれないほど利用していました、その時に八ッ場ダムの計画を知り将来は大きく変わるだろうと想像し、お客様にもその話をしながら仕事をしたのを覚えています。ここ何年もそちら方面に行くことなく、ニュースで知る程度でしたが、今の八ッ場ダムはどうなっているのか、この目で見たいと思い、ついでに回って見ましたが、地域の変わりようには驚きました、真新しい造成地に立っている新し家、立派な道路、以前は手軽に近づけなかった滝を間近に見ることができたりと、風景が一変していました、国土の開発というのはこういうものかと、改めて知らされました、多くの犠牲になるものの上でまた更に多くの恩恵を受けることを目的にあるのだと思わざるを得ません、また今でしか見られない湖底の様子を見たので、水が貯められたダム湖になった時の景観を見る楽しみもできました。夏は沢遊びで出かけた所も宮ヶ瀬ダムとなって湖底になってしまいました、色々名目はあるのでしょうから国土開発は続くのでしょう、様々な角度から開発の内容や目的を見ていくことが私たちは重要だと感じます。