リノベーションの相談を受けている戸建別荘から、別荘の計画に際し注意する箇所が見えましたので、所有者の承諾を得て問題点を例をあげて紹介します。

22年5月24日落ち葉のバルコニー-thumb-550x412-1467

写真の建物は、外壁を板でドイツ下見張りで仕上げていることが、デザインコンセプトの一つのようでテラスの手すりも本体と同じように壁状に仕上げ、グレード感を上げている建物です。デザインも内部の仕上げや各所の納まりにもこだわりがあり、素敵な別荘で調査をしていても設計者の思いがよく伝わる建物です。写真にあるテラスはリビングから出られる建物の南にありますが、この手すりが思いのほか部材の腐朽を早めることになっています。

22年5月24日部屋内から落ち葉のバルコ-thumb-550x412-1469

建物の南西の角がリビングになりそこのはき出し窓からテラスに出られます、格子状の手すりでないため、建物と一体感があり部屋内側から見てもデザインされた壁の手すりは美しいです。しかし、秋に訪れた時の写真ですが、壁の手すりのため風で吹き飛ぶことがなく、雨で湿気ったままで冬には雪がその上に積り、水分を含んだままで春の別荘開きまで放置されることになります、その結果が床板や手すり壁の下部を腐らせていくことになります、それと風通しが悪いこともあり腐朽の進行が速くなります。

22年5月24日朽ちるバルコニー2-thumb-550x412-1471

コーナーや手すり壁下と手前側の日が当たる箇所の腐朽の違いが見てとれます、このように日当たりの悪いコーナーは落ち葉や雪により部材の板を早く腐らせます。

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リノベーションの実行にあたり、壁板を剝すとハチの巣もあり虫なども影響を与えているように見受けられまました。この場合のケースを見ると、更に床の板張りの板を並べた隙間が少し狭いのも腐朽を早めているようです。

定住でいつも清掃や落ち葉掃きなどのメンテナンスができる場合は、このデザインでもいいですが、留守日数が300日もある別荘利用や木立の中、湿度が高くなり易い向き・場所にバルコニーやテラスを設ける場合は、風で落ち葉や雪が吹き飛ぶように格子状の手すりを推奨します、そして床板の並びの隙間も少し開きぎみがいいと考えます、落ち葉や雪が溜り難い形状と常に風が通り乾燥する造りにすることです。更に防腐処理や腐り難い天然素材・人工素材などを上手く組み合わせてデザインと機能を満足させる計画が重要であると考えます